COLUMN

カレラ_キャリバー5

高級時計ブランドとして確固たる地位を築いてきた「タグホイヤー」。およそ150年以上続く長い歴史の中で、数々の革新的なモデルを生み出してきました。

その中でも最も人気で、タグホイヤーの顔とも言えるモデル「カレラ」について、その魅力を存分に解説します。

後半にはカレラの人気モデルを4つ紹介するので、もしカレラの購入を検討しているのであれば必見の内容です。

興味のある方はぜひ参考にしてみてくださいね。

150年以上の歴史を持つタグホイヤー

今からおよそ150年以上の歴史を持つタグホイヤー。長い歴史を築き、多くの時計愛好家に愛され続けてきた裏側には、様々な偉業を成し遂げてきた過去がありました。

そんなタグホイヤーの歴史について詳しく見ていきましょう。

創業〜初めての特許取得

タグホイヤーは1860年、創業者の「エドワード・ホイヤー」によって創業されました。

創業当時は「エドワード・ホイヤーカンパニー」という名で、当時からタグホイヤーという名称ではなかったのです。

創業から7年が経った1867年、それまでスイス・サンティミエの地を拠点としていましたが、ベルン州ビールに会社を移転し、それ以降100年以上ビールの地に留まり続けます。

 

1869年に、初の特許取得となる技術を発明し、この発明によってホイヤーの名は広く知れ渡るようになります。

発明したのは、鍵を使わないリューズによる巻き上げ機構。

 

自動巻き上げが主流となった現代においては、聞き馴染みがないかもしれませんが、当時の時計は手動で巻き上げるために専用の"鍵"が必要だったのです。

 

そのような時代に、ホイヤーが発明したリューズでの巻き上げ機構は革新的で、その後の時計の製造方法を変える大きなきっかけとなりました。

クロノグラフの完成

1882年、スポーツ競技が盛んになり始めた頃、創業者のエドワードは正確に時間を計測できる時計の必要性を感じ、ポケットクロノグラフの大量生産を行うようになります。

 

ポケットクロノグラフとは、現代で言うストップウォッチのことです。

陸上競技やレースの時間を正確に計測できる画期的なアイテムとして、多くのスポーツマンから愛されるようになりました。

 

1887年には、今でも主流となっているクロノグラフを完成させます。

ホイヤーは、プッシュボタンを押すと同時にタイマーをスタート/ストップできる「振動ピニオン」を開発し、クロノグラフの組み立てや保守を簡単にできるようにしました。

 

「振動ピニオン」はタグホイヤーの2度目となる特許を取得。現在でも振動ピニオンはクロノグラフ時計に使われています。

 

1914年には、時計業界で初となるクロノグラフ腕時計を完成させます。

それまでは懐中時計が主流でしたが、時代の移り変わりによって腕時計が主流となりました。

その流れに乗じて、ホイヤーも腕時計タイプのクロノグラフを発表。時計市場でも特にめずらしいものとして認識されていたそうです。

マイクログラフの誕生〜黄金期への躍進

1916年、スポーツにおける計測の正確性がさらに求められるようになります。そこでホイヤーが発表したのが「マイクログラフ」です。

1/100秒単位で計測できる正確性は、当時のスポーツ業界に衝撃を与えました。ホイヤーはその実力が世界に認められ、オリンピックの公式タイムキーパーを3年連続で務めることになります。

 

オリンピックの公式タイムキーパーを務めたことをきっかけに、世界中から知られるメジャーブランドへと大きな躍進を遂げたのです。

 

それからのホイヤーは黄金期を迎えます。

1962年には、スイスの時計メーカーとして初めて宇宙へいきました。初の有人宇宙飛行に飛び立ったジョン・グレンが腕につけていた時計は、タグホイヤーのストップウォッチ。

4時間56分にも渡る飛行時間を、ホイヤーのストップウォッチが計測したのです。

 

このストップウォッチは今でもスイスにある博物館に展示されています。

タグホイヤー「カレラ」の誕生

カレラが誕生したのは、タグホイヤーの黄金期である1963年のことでした。

4代目社長として就任した「ジャック・ホイヤー」はそれまでの販売形態を一新し、レーサーやラリー向けのクロノグラフ腕時計の販売に切り替えます。

 

タグホイヤーがF1レースなどモータスポーツ界との関わりが深いことは、ジャックホイヤーのこうした経営戦略があったからこそです。

 

「カレラ」誕生のきっかけもモータースポーツと大きな関係があります。

カレラは、1950年〜1954年にかけて開催された、メキシコが舞台のロードレース「カレラ・バン・アメリカーナ」のオマージュとして発表されました。

カレラの名はレース名から取ったものです。

 

総距離3520kmという過酷なロードレースに挑戦する全てのドライバーに敬意を表し、カレラは視認性と機能性にこだわって作られました。

発売から50年以上経った今でも多くのドライバーをはじめ、世界中の人々から愛されるモデルであり、タグホイヤーのフラッグシップモデルとして君臨しています。

タグホイヤー「カレラ」の魅力

50年以上の長く続く歴史を持つカレラからは、タグホイヤーが独自開発した様々なムーブメントのモデルが発売されています。

ここでは、人気のカレラモデルを4つ紹介します。

カレラ キャリバー5

シンプルで落ち着いたデザインが特徴のキャリバー5モデル。

メカニックな要素は削ぎ落とし、3針(時、分、秒)と3時の位置に配されているデイト窓(日付表示)のみで構成されています。

2014年にはスタイルを一新し、文字盤はブラック、シルバー、アントラサイト(グレー)の3カラーから選べるようになりました。

カレラ_キャリバー5_No.1

文字盤の裏側はシースルーになっており、キャリバー5の精巧なムーブメントを楽しむことができます。

キャリバー5は「カレラシリーズの入門」と言われるほど、オーソドックスで馴染みやすいモデルです。

他モデルに比べてコストパフォーマンスも高く、幅広い年齢層に愛されています。

カレラ_キャリバー5_No.2

カレラ クロノグラフ テレメーター グラスボックス

初代カレラに最も近いデザインと言われているクロノグラフ テレメーターグラスボックスは2015年に登場しました。

ヴィンテージ感を漂わせるデザインが特徴的で、文字盤中央のロゴには1985年TAGグループと統合前のロゴ「HEUER」が採用されています。

カレラ_クロノグラフ_テレメーター_グラスボックス_No.1

クロノグラフでありながらも、ツーカウンターのシンプルな構成で派手になり過ぎない印象に。

フランジ部分に2点間の距離を計測できるテレメータースケールを配していることがおそらく名称の由来と考えられます。

カレラ_クロノグラフ_テレメーター_グラスボックス_No.2

カレラ キャリバー ホイヤー01

タグホイヤー独自開発のムーブメント「キャリバー1887」をさらに改良を重ねて、2015年に「キャリバーホイヤー01」が発表されました。

文字盤はスケルトン仕様で、内側のメカニカルな構造を確かめることができ、男心をくすぐるデザインにこだわっているのが感じられますね。

カレラ キャリバー ホイヤー01_No.1

ケースバッグの裏側からは、よりはっきりとムーブメント構造が確認できます。

細部までこだわるタグ・ホイヤーの技術の高さを最も感じとれるのは「キャリバーホイヤー01」と言っても過言ではありません。

カレラ キャリバー ホイヤー01_No.2

カレラ 1887 富士スピードウェイ

1887 富士スピードウェイは2013年頃、日本限定で発表されました。

日本の名門サーキット「富士スピードウェイ」のオマージュとした発表したモデルで、キャリバー1887のムーブメントが採用されています。

カレラ1887_富士スピードウェイ_NO.1

富士山の麓をイメージしたとされている、鮮やかなサファイアブルーの文字盤が特徴的で、9時の位置には「FUJI SPEEDWAY」が刻印されています。

モーターレースに関連しているので、円盤周りには時速を計測できる「タキメーター」を配置し、よりメカニックな印象に。

カレラ1887_富士スピードウェイ_NO.2

まとめ

今回はタグホイヤー カレラの歴史と人気のカレラモデルについて解説しました。

タグホイヤーは150年以上続く長い歴史の中で、時計業界における歴史的発明を成し遂げてきました。

フラッグシップモデルである「カレラ」は、多くのドライバーから愛されており、その人気はドライバーだけに留まらず、世界中の人々から憧れの時計として認知されています。

 

そんなタグホイヤーは、これから先も革新的なアイデアで多くの人々を魅了してくれることでしょう。