COLUMN
セイコー「ツナ缶」とは何か|愛称の由来と外胴プロテクター構造、代表モデル・サイズ感・中古の選び方

セイコーのダイバーズウォッチには、「ツナ缶」と呼ばれる外胴プロテクター付きのモデルがあります。モデルごとに仕様やサイズが異なるため、候補の仕様を比較して選ぶ必要があります。
この記事では、ツナ缶という愛称の由来と外胴プロテクターの構造・歴史、代表モデルの系統、サイズ感・装着感の考え方、そして中古で購入するときに見ておきたい状態のポイントまでを順番に整理します。あくまで時計そのものの理解と、自分に合う一本を選ぶための判断材料を提供することがこの記事の目的です。
この記事でわかること
- セイコー「ツナ缶」の愛称の由来と外胴プロテクター構造の特徴
- セイコーのダイバーズにおけるツナ缶の位置づけと歴史(1975年の初代から)
- 代表モデルの系統(クオーツ/機械式、外胴素材、サイズ帯)の違い
- ケース径・厚みなどサイズ感と装着感の考え方
- 中古で購入するときに確認したい状態のチェックポイント
目次
1. セイコーの「ツナ缶」とはどんな時計か
セイコーのダイバーズウォッチの中で「ツナ缶」と呼ばれているのは、ケースの外周をリング状の外胴プロテクターで囲んだ本格ダイバーズウォッチの一群です。潜水士からの過酷な要望に応える形で開発が始まり、深い潜水にも対応するモデル群として育ってきました。
代表的な特徴の一つが、ケース外周を覆う外胴プロテクターです。ツナ缶系モデルは、ケースの外側に、衝撃や引っ掛かりから時計を守るこのパーツを備えています。そのぶん存在感のある見た目になり、これがそのまま「ツナ缶」という愛称にもつながっています。
この記事では、次の4つの軸に沿ってツナ缶を整理していきます。
- 愛称の由来と外胴プロテクターの構造・歴史
- 代表モデルの系統(クオーツ/機械式など)
- サイズ感・装着感
- 中古で購入するときに見ておきたい状態
順番に見ていきましょう。
2. 「ツナ缶」という愛称の由来
「なぜツナ缶と呼ばれているの?」という疑問には、比較的シンプルに答えられます。外胴プロテクターの円筒形をしたシルエットが、ツナ缶(ツナの缶詰)を連想させることから定着した愛称とされています。
セイコー公式は、海外のファンがこうしたモデルに「Tuna Can」というニックネームを付けたと紹介しています。日本語のセイコー公式コンテンツでも「ツナ缶」という通称が使われています。正式なモデル名ではなく、あくまで見た目の特徴から生まれた愛称という位置づけです。
なお、セイコーは英字表記で「SEIKO」とも書かれます。海外の資料や商品情報では「seiko ツナ缶」のように英字とカナが混在して使われることもあるため、どちらの表記で調べても同じ時計を指していると理解しておくと迷いにくくなります。
3. 外胴プロテクター構造と開発の歴史
外胴プロテクターはケース外周を覆うガードで、主に衝撃や引っ掛かりから時計を守ります。水密性・気密性は、ワンピースケースや独自のパッキン構造など複数の技術によって確保されています。つまり外胴プロテクターは、防水そのものを担うパーツというより、ケースを守るための保護構造として採用されているものです。
この構造が生まれた背景には、開発当時の時代の要請がありました。1968年、職業潜水士から「300mを超える飽和潜水で、高圧ヘリウムに既存の時計が耐えられない」という趣旨の手紙が寄せられたことが開発の契機になりました。この課題への対応には、外胴プロテクターだけでなく、ワンピースケースや特殊なパッキン構造など複数の技術が用いられました。
1975年に初代の「プロフェッショナルダイバーズ600m」が登場しました。チタンを採用した点も特徴とされ、軽さと錆びにくさを併せ持つ素材が選ばれています。その後もツナ缶の系譜は磨かれ続け、後年には防水性能がさらに引き上げられた1000mクラスへと進化していったとされています。
ここで一つ押さえておきたいのが、表示水深の読み方です。飽和潜水用モデルでは、表示水深は使用範囲を示す仕様です。表示水深を超えて使用しないでください。また、防水性は恒久的に維持されるものではなく、経年劣化や衝撃などで低下することがあります。使用上の注意を含めた詳しい読み方は、後述の「ダイバーズの基礎」で改めて整理します。
4. 代表モデルの系統(クオーツ/機械式・外胴素材・サイズ帯)
型番の種類が多く、どれが何を指しているのか分かりにくいというのは、ツナ缶を検討する人の多くが感じる悩みではないでしょうか。個別の型番を一つひとつ覚えるのではなく、まずは「系統」で大きく捉えると整理しやすくなります。
ツナ缶の系統は、主にムーブメント(クオーツか機械式か)とケースのサイズ帯という軸で捉えると整理しやすくなります。外胴プロテクターの素材はモデルによって異なります。代表的な例を表で整理すると、次のようになります。
| 系統(型番の例) | ムーブメント | 外胴素材 | ケースの大きさ | 向く使い方の一例 |
|---|---|---|---|---|
| クオーツの例(SBBN045) | クオーツ(Cal.7C46) | 型番ごとに異なる | 横47.7mm | 電池式を選びたい人 |
| 機械式の例(SBDX035) | 自動巻(Cal.8L35) | 型番ごとに異なる | 横52.4mm | 機械式の機構に関心がある人 |
| スプリングドライブ系 | スプリングドライブ | 型番ごとに異なる | 型番ごとに異なる | より独自性の高い機構に関心がある人 |
7C46搭載例は電池式クオーツです。電池交換時にはパッキン交換や防水検査もメーカーが推奨しています。一方、機械式・自動巻系は、ムーブメントそのものの機構を楽しみたい人に向く系統とされています。スプリングドライブについては、セイコー公式史で、2013年に外胴プロテクター付きの600m飽和潜水用のスプリングドライブモデルが登場したことを確認できます。
現行のラインナップは時期によって入れ替わるため、この記事では「代表的な系統」という粒度で紹介しています。
5. サイズ感・装着感(実寸の確かめ方)
「写真で見ると大きそうだけど、自分の手首に合うのだろうか」という不安は、ツナ缶を検討するときに多くの人が抱く感覚です。外胴プロテクター付きモデルには、SBBN045の横47.7mm、SBDX035の横52.4mmのように、ケース径が大きい例があります。サイズ・重量は型番ごとに異なるため、個別仕様に目を通しておきましょう。
外胴プロテクター付きの比較的小型なダイバーズには、ファンから「ベビーツナ」と呼ばれるモデルもあります。同じツナ缶でもモデルによってケースの大きさは異なるため、気になるモデルの実寸は商品ページで確認しておくとよいでしょう。
サイズ感を見極めるときは、次のようなチェックポイントを手がかりにすると判断しやすくなります。
- 自分の手首まわりの実寸を測ってから、ケース径・厚みと見比べてみる
- ケースの縦寸法、ケース径、厚さを手持ちの時計と比較し、手首上での大きさをイメージする
- SBBN045のような大きめのモデルとベビーツナのような小型のモデル、どちらが自分の生活シーンに合うか考える
バイセルブランシェが出品している商品は、1点物の中古品です。写真の印象だけで判断せず、実寸に目を通したうえで検討することが、届いてからのイメージ違いを防ぐことにつながります。
6. ダイバーズの基礎(防水表記の読み方)
ダイバーズウォッチの防水表記は、実は誤解されやすいポイントです。セイコーのダイバーズには「空気潜水用防水」と「飽和潜水用防水」の区分があり、いずれも表示水深は使用範囲を示す仕様です。表示水深を超えて使用しないでください。また、防水性は恒久的に維持されるものではなく、経年劣化や衝撃などで低下することがあります。検討中の型番がどの区分・どの表示水深なのかは、公式仕様で確かめてください。
回転ベゼルも防水性能の指標ではなく、潜水を開始した時刻や経過時間の目安を管理するための道具という役割を持っています。ダイビングの安全管理を補助する機能であり、防水等級とは別の観点で理解しておくとよいでしょう。
そして中古品を検討する際にとくに意識したいのが、経年による変化です。パッキンなどのゴム部品は年数の経過とともに劣化することがあり、購入時点で実際の防水性能が仕様どおりに保たれているとは限りません。水中で使用する前は、メーカーの取扱説明書に沿って点検し、必要に応じて防水検査やメーカー・正規サービスでの点検を検討してください。
7. 中古で確認したい状態のポイント
バイセルブランシェの出品は1点物の中古品のため、個体ごとに状態を見比べることが大切です。状態と付属品を落ち着いて見ておくことが、納得のいく一本選びにつながります。
購入前に押さえておきたい観点を整理すると、次のようになります。
- 回転ベゼルの動き:引っかかりなく滑らかに回転するか、目立った傷や欠けがないか
- パッキンの状態:経年劣化するため、外観だけで防水性を判断せず、交換歴や防水検査の有無を確認してください
- 外胴プロテクター・ケースの状態:凹みや深い傷、変色などがないか
- 付属品の有無:箱や保証書、予備コマなど、何が付いてくるかを事実として確認する
- 実寸・状態説明:商品ページに記載されたサイズ・状態を読み、手持ちの時計などと比較して着用時の大きさをイメージする
写真では判断しづらい部分もあるため、上記の観点を一つずつ見ていくと判断しやすくなります。
編集部からの補足
1点物の中古品のため、サイズ(手首の実寸)・状態・付属品の有無は商品ページで事前にご覧ください。防水についても過信せず、必要に応じて専門店での点検を検討するとよいでしょう。バイセルブランシェは、中古腕時計を取り扱う販売ECです。詳しくはショッピングガイドをご確認ください。
8. メンテナンスと価格帯の考え方
購入したあとの維持の仕方や予算感も、検討段階で気になるところではないでしょうか。ムーブメントごとに必要な作業は異なりますが、防水時計では定期点検やパッキンの管理も重要です。電池式クオーツでは電池交換が必要です。ムーブメント種別を問わず、メーカーは定期点検や防水性の確認も案内しています。
価格帯についても、具体的な金額を一律に示すことはできません。価格はモデルや個体ごとに異なるため、確認時点の表示価格を前提に検討してください。
9. よくある質問
ケースの外周を外胴プロテクターで覆った、セイコーの本格ダイバーズウォッチです。潜水士の要望に応える形で開発が進み、深い潜水にも対応するモデル群として発展してきました。1975年に登場した初代から続く外胴プロテクターのデザインが特徴です。飽和潜水用モデルの表示水深は使用範囲を示す仕様であり、表示水深を超えて使用しないでください。また、防水性は経年等で低下することがあります。
外胴プロテクターの円筒形をしたシルエットが、ツナ缶(ツナの缶詰)を連想させることから定着した愛称とされています。セイコー公式は、海外のファンが「Tuna Can」というニックネームを付けたと紹介しています。正式なモデル名ではなく、通称です。
大きく分けると、クオーツを搭載した系統と、機械式・自動巻の系統があります。防水仕様やケースサイズは型番ごとに異なるため、検討する型番の公式仕様と商品ページに目を通しておきましょう。
ケース径は型番差が大きく、SBBN045で横47.7mm、SBDX035で横52.4mmです。外胴プロテクター付きの比較的小型なダイバーズには、ファンから「ベビーツナ」と呼ばれるモデルもあります。いずれの場合も、自分の手首まわりの実寸で似合うかどうかを確かめるのがおすすめです。
回転ベゼルの動きや傷、外胴プロテクター・ケースの状態、付属品の有無、商品ページの実寸・状態説明を確認しましょう。パッキンは経年劣化するため、外観だけで防水性を判断せず、交換歴や防水検査の有無を確認してください。防水性能は経年で仕様どおりとは限らないため過信せず、実際に水に入れる用途で使いたい場合は専門店での点検も検討してください。
当記事制作チーム
著者:バイセルブランシェ編集部
内容確認:腕時計査定領域の社内専門チーム
公開日:2026年8月27日
※本記事は、セイコーのダイバーズウォッチに関する知見を持つ社内専門チームへの取材をもとに、バイセルブランシェ編集部が制作し、公開前に社内専門チームの内容確認を行っています。




