コニャックの有名ブランド「カミュ」は、1世紀以上にもわたって多くの人に愛されるコニャックブランドです。コニャックと聞くと少し敷居が高く感じてしまう人もいるかもしれませんが、カミュが作る上質なコニャックは非常に飲みやすく、沢山の飲み方が楽しめます。ここでは、コニャックの有名ブランドカミュの概要や種類、コニャックの飲み方やピッタリのおつまみを紹介します。
COLUMN
カミュの飲み方は?ブランデーコニャックの飲み方やおつまみを解説!
コニャックの有名ブランド「カミュ」について
ここではコニャックの有名ブランド「カミュ」の持つ、歴史や特徴について解説します。
カミュの歴史
カミュはフランスで1863年に創業された、コニャック地域に拠点を置くコニャックのブランドです。
現在では唯一の家族経営メーカーであり、150年以上の歴史を持ちます。当初はブランデーを製造販売するも全く売れず、廃業にまで追いやられた時期がありました。
しかしカミュは地道な努力を続けて成功を収め、20世紀のはじめにはロシア皇帝に好まれるなど世界中で愛されるコニャックブランドとなったのです。
カミュがメインとしている土壌はコニャック地方で3番目によいとされている「ボルドリー」で、180ヘクタール(東京ドーム38個分)の広さを保有しています。
カミュのこだわり
カミュはボルドリーの古酒が隠し味に使われていることが大半であり、まろやかで繊細、それでいて深みのある味わいが特徴です。
また、カミュは特徴的なボトルデザインでも知られており、以下のように様々な種類のボトルを創業から作り続けています。
- 樽型
- ゴルフボール型
- 本の形
- スペード型
- バカラを使用したボトル
- 水差しの形
カミュを代表するブランデーラインナップ
ここでは、カミュを代表するブランデーラインナップを紹介します。
カミュ VSOP エレガンス
「カミュ VSOP エレガンス」はオーク樽で熟成させたフルーティさが特徴的な、5大コニャックの1つにも数えられるカミュの定番コニャックです。
フルーティーな香りと芳醇なアロマの香りが楽しめる上質な品であり、ブランデー独自の渋みが抑えられているため、初めてカミュのブランデーを飲む方にもおすすめです。
アルコール度数は40%で、芳醇な香りを楽しむためストレートで飲むことをおすすめします。
カミュ ブック ナポレオン ゴールド
「カミュ ブック ナポレオン ゴールド」は、本をかたどったリモージュ焼のボトルが印象的な、カミュを代表する人気コニャックです。
力強く、それでいて優しい味わいが特徴的なコニャックであり、芳醇な香りもあいまって幅広いファンに愛されています。
アルコール度数は40%で、ストーレートはもちろん炭酸割にするのもおすすめです。
カミュ ジュビリー バカラ
「カミュ ジュビリー バカラ」は、カミュ社の創業50周年を記念して販売された限定品のコニャックです。
X.O.クラス以上のコニャックを高級クリスタルメーカー「バカラ」のクリスタルに収めています。その美しさは「液体の宝石」とも呼ばれており、香り高さや飲み心地の良さは一級品だと言えます。
アルコール度数は40%で、ぜひともストレートでそのクオリティの高さ・香りを味わっていただきたい一本です。
カミュ トラディション バカラ
「カミュ トラディション バカラ」は、バカラ社が製造した特製ボトルだけでも高額取引されている、アルコール度数40%のコニャックです。
カミュ社の作るコニャックが持つ品質の高さが非常によく表現されており、ストレートだけでなく食前酒としてオンザロックで飲むこともおすすめです。
コニャックってどんなお酒?
ここでは、コニャックの特徴や等級ついて解説します。
コニャックとは?
コニャックとは、フランスのシャラント県にある町「コニャック」の周辺で産出されるブランデーのことです。
起源には諸説ありますが、17世紀のフランス・コニャック地方でワインを蒸留したものが「ブランデ・ワイン」として商品化され、後にブランデーとなったと言われています。
コニャックは世界3大ブランデーの1つであり、白ブドウや洋ナシなどのフルーツでできた果実酒を蒸留させて製造します。
甘く滑らかなその味わいが「女性的」とも表現される、非常に飲みやすいブランデーです。
コニャックの等級(ランク)について
コニャックの等級は熟成年数によって分けられますが、ウイスキーのように年代で表現はせず、全国コニャック事務局が規定する英語で付けられます。
熟成年数の基準単位は「コント」です。
蒸留が終了した4月1日から翌年の3月31日までをコント0とし、蒸留後の翌年4月1日から良く翌年の3月31日までをコント1として数えていきます。
スリースター
「スリースター」は一番下の等級です。コント2以上のコニャックにつけられます。
V.S・V.O.・V.S.O.・V.S.O.P.
「V.S・V.O.・V.S.O.・V.S.O.P.」はスリースターよりも上の等級で、それぞれ以下の意味を示します。
- 「V.S」…「very special(とても特別)」
- 「V.O.」…「very old(とても古い)」
- 「V.S.O.」…「very superior old(とても優れて古い)」
- 「V.S.O.P.」…「very superior old pale(とても優れて古い、澄んだブランデー)」
「V.S」はコント2以上、「V.O.」「V.S.O.」「V.S.O.P.」はコント4以上です。
Napoleon(ナポレオン)・XO・Hors d'âge(オール・ダージュ)
「Napoleon(ナポレオン)・XO・Hors d'âge(オール・ダージュ)」は、「V.S・V.O.・V.S.O.・V.S.O.P.」よりも上の等級です。
それぞれの由来や意味することは、以下の通りです。
- 「Napoleon(ナポレオン)」…歴史上の人物、ナポレオン・ボナパルトが由来
- 「XO」…「extra old(さらに古い)」
- 「Hors d'âge(オール・ダージュ)」…公式な熟成年数を超える高品質を意味する
熟成年数は「Napoleon(ナポレオン)」がコント6以上で「XO」がコント10以上です。
「Hors d'âge(オール・ダージュ)」はコント6以上ですが、XOよりも品質が高いものにつけられます。
ブランデーのいろいろな飲み方
ここでは、ブランデの飲み方について解説します。
ストレート
ストレートは、常温のブランデーをブランデーグラス等に注いでそのまま飲む方法です。
ブランデーの香りや熟成された味わいを楽しむ王道の飲み方であり、初めてのブランデーを飲む場合にはおすすめです。
グラスには20~30分程度で飲み終わる量を注ぐと、ブランデーを最大限楽しめます。
オンザロック
オンザロックは、グラスにロック(氷)を入れてブランデーを注ぎ、ゆっくりと転がして飲む方法です。
香りやアルコールの揮発が抑えられるため、ブランデー初心者におすすめの飲み方です。オンザロックにはなるべく大きな氷を使うと、水っぽくなりにくくなります。
水割り
水割りは、氷を詰めたグラスにブランデーを入れ、水で割る飲み方です。
水の量によってアルコールの強さを調整できるため、アルコールにあまり強くない方でも楽しめます。
ジンジャーエール割り
ジンジャーエール割りでは、氷を詰めたグラスに45ml程度のブランデーを入れ、ジンジャーエールを注いでステアします。
口当たりがさわやかで飲みやすく、香りも良くて、濃厚なブランデーの味も楽しめるカクテルです。強いお酒が苦手な方には、ごくごく飲めるジンジャーエール割りがおすすめでしょう。
また、レモンなどのスライスを加えることで、より風味が豊かになります。
ソーダ割り
ソーダ割は、氷を詰めたグラスに20ml程度のブランデーを入れ、炭酸を注ぐ飲み方です。
炭酸のさわやかさやブランデーの芳醇な香りが楽しめるため、強いお酒苦手な方はもちろん、いつもと違った飲み方をしたい方にもおすすめです。
お好みでレモンスライスやオレンジピールなどを添えても良いでしょう。
ホットミルク割り
コニャックにホットミルクを合わせて飲むホットミルクは、とても優しい味がするカクテルです。コニャック30mlにホットミルク100mlを目安にしましょう。
お好みで砂糖やバター、シナモンを加えると、女性でも飲みやすいカクテルになります。
トワイスアップ
トワイスアップは氷を入れないグラスに常温のブランデーを入れ、常温の水を注いで飲む方法です。水を加えて馴染ませることで、ブランデーの香りや甘みがさらに強まります。
甘みや香りを楽しむためにはブランデーと水の量は1:1までとし、それ以上は加水しないようにしましょう。
ホットブランデー
ホッとブランデーとは温めたグラスにブランデーを注ぎ、2~3倍量のお湯を注ぐ飲み方です。
ブランデーを温めることで香りや華やかさが増し、寒い季節には身体を温めてくれます。
お好みでハチミツなどを加えてもOKですし、アルコール臭が気になる場合はコリアンダーなどのスパイスを振りかけるのもおすすめです。
サイドカー
サイドカーは、コニャック2に対してホワイトキュラソーとレモンジュースを1の割合でシェイクして作る、王道のカクテルです。
優しい飲み口で、アルコールにあまり強くない方や女性にもおすすめでしょう。ブランデーの深みに酸味が加わり、アルコール感も程よく和らげます。
ミックス・イット
ミックス・イットは、ブランデーに何かを1つだけ混ぜるカクテルです。
ニューヨークのBAR「ブランディーライブラリー」「コッパー&オーク」のマスター、フラビアン・デゾブラン氏がコニャックカクテルの1つとして提唱しています。
混ぜるものに明確な決まりは無く、同氏はジャスミンやキャラメルシロップを組み合わせる方法も紹介しています。
カフェ・ロワイヤル
カフェ・ロワイヤルは、ナポレオンが好んだことでも有名な飲み方です。
角砂糖を乗せたスプーンにブランデー注いで砂糖に染み込ませて火を点け、青い炎が灯ったブランデーの香りや見た目を楽しみながら、コーヒーの中に入れて飲みます。
部屋を暗くすることで青い炎の美しさが際立ち、女性にも喜ばれます。
ニコラシカ
ニコラシカはブランデーの入ったグラスの上にレモンスライスを乗せてフタをし、その上に上白糖やグラニューとーを乗せる飲み方です。
砂糖とレモンを口の中に全部入れて噛みしめ、ブランデーを一気に口に入れて、口の中で混ぜ合わせながら一気に飲み干します。
帽子をかぶったような見た目がとても可愛らしく女性にも喜ばれますがアルコールは強く、「レディー・キラー」カクテルとも言えるでしょう。
ホーセズネック
ホーセズネックは、螺旋向きにしたレモンの皮をグラスに入れて端を縁にかけ、ブランデーのジンジャーエール割りでグラスを満たす飲み方です。
ほんのりと甘みがあるだけでなく、ブランデーの香りをさわやかに楽しめるため、ブランデー好きにも充分おすすめできます。また、ジンジャーエールの代わりにレモンジュースを使った「ブランデー・バック」もおすすめです。
アレクサンダー
アレクサンダーは、ブランデーに生クリームやカカオリキュールを加えて作るカクテルです。
チョコレートケーキのような甘い香りで非常に飲みやすく、女性にもおすすめできます。ただしアルコール度数は20%以上ですので、飲み過ぎには注意しましょう。
コニャックに合うおすすめおつまみ
ここでは、コニャックに合うおすすめのおつまみを紹介します。
飴
コニャックとは不釣り合いにも思える飴ですが、甘いものが好きな方にはおすすめできるおつまみです。
コニャックは甘いモノと相性が良いため、一度試してみると楽しいでしょう。食後のデザートとしてコニャックと飴を楽しむのがおすすめです。
チョコレート
バーなどの定番おつまみであるチョコレートは、コニャックと相性抜群です。
甘いチョコレートも合いますが、少しビターで甘さ控えめなものが特におすすめでしょう。チョコレートはコニャックをまろやかに感じさせてくれるため、初心者にもおすすめの飲み方です。
チョコレートとコニャックの豊かな香りで、贅沢な気分に浸りたい時にお試しください。
ドライフルーツ
人気のおつまみであるドライフルーツは、元々果実酒で香り高いコニャックとの相性がバツグンです。
基本的にはお好みのフルーツで良いのですが、甘みと渋みがあるレーズンがコニャックとはよく合います。保存が効くため、よくコニャックを飲む方の日常的なおつまみとしておすすめです。
ナッツ
ブランデー系のおつまみとして王道のナッツは、コニャックとも良く合います。
甘いモノが苦手な方におすすめで、カシューナッツやアーモンドなどであれば、お酒が進むことでしょう。塩気のある食べ物を食べたいときにはおすすめできます。
チーズ
コニャックのおつまみとしては、チーズも欠かせません。
チーズが持つ香りのクセや味がコニャックの風味と良く合います。コニャックに合わせるなら、海外からの輸入品を扱うお店に売っているような、チーズ本来の風味や味が強く感じられるチーズが良いでしょう。
甘くないおつまみを探している方にはおすすめです。食後にコニャックとチーズを食べれば、贅沢でおしゃれな気分が味わえるでしょう。
ジャム
コニャックに合わせるおつまみとしては、ジャムもピッタリです。
コニャックの香りと果実でできたジャムの味わいが、とても良くマッチするのです。いちごジャムやレモンジャムなどが、コニャックとは良く合うでしょう。
甘党の方におすすめのおつまみであり、クラッカーにつけて食べても美味しいです。また、ジャムをつけたクラッカーはパーティなどの際に用意しても楽しいでしょう。
まとめ
カミュは19世紀のフランスで創業されたコニャックのブランドであり、特徴的なボトルや、まろやかで深みのある味わいが特徴のコニャックを作っています。
コニャックは世界3大ブランデーの1つであり、果実酒を蒸留させて製造する、非常に飲みやすいブランデーです。
コニャックの飲み方は王道のストレート以外にも多々ありますから、お好みのおつまみと合わせてお楽しみください。