COLUMN

「フィルムカメラを使用した経験がないから、購入前に躊躇してしまう」「良質なフィルムカメラを購入したいが、どの商品が良いのかわからない」このようなお悩みを抱えている人も少なくありません。

 

フィルムカメラとはカメラ本体に別売りの「フィルム」を入れて撮影するカメラです。

「フィルムカメラの種類」「フィルムのサイズ」「ピントの合わせ方」「露出モード」「カメラのデザインや状態」などの点を購入前にチェックすることで、自分に合ったフィルムカメラを探せます。

 

今回はフィルムカメラの特徴、 フィルムカメラ使用時のよくある失敗例、フィルムカメラの選び方、おすすめのフィルムカメラ8選をご紹介します。

フィルムカメラとは

フィルムカメラとは、カメラ本体に別売りのフィルムを入れて撮影するカメラです。2000年頃まで主流のカメラとして、製造されていました。

フィルムカメラはデジタルカメラやスマートフォンの撮影時とは異なり、独特な色味や階調表現を楽しめます。

 

また、フィルムカメラの中には、撮影後に写真を現像できる製品が存在しています。写真を一枚撮影する度にダイヤルを回して、フィルムに巻き上げる楽しみを感じられます。

撮影した写真をその場で確認できないフィルムカメラなら、写真が上手く撮れたか、ワクワクしながらプリントアウトを待つ楽しみも得られます。常に最高の瞬間を撮ろうという気持ちを心掛けながら、目の前の風景や人物と向き合えます。

フィルムカメラ使用時のよくある失敗例

フィルムカメラ使用時のよくある失敗例をご紹介します。

失敗例を購入前にチェックし、撮影時のミスを予防しましょう。

1.露出(明るさ)の設定ミス

フィルムカメラは「絞り(F値)」「シャッタースピード」「ISO感度」それぞれを調節して適正な明るさに設定しなければ、明るすぎたり、暗すぎる写真になります。

「絞り(F値)」「シャッタースピード」「ISO感度」それぞれの用語の意味は、以下の通りです。

用語 意味

絞り

(F値)

レンズから入る光の量を調整する機能

レンズ穴の大きさを変えることで、取り込む光の量を調整している

シャッタースピード

カメラのシャッターが閉まるスピード

シャッタースピードが速い場合は、カメラが光を取り込む時間が短くなる

ISO感度

光に対する敏感さを数字で表す

数字を高く設定することで、暗い場所でも明るく撮影することができる

室内などの暗い場所では「フラッシュ」を使用することで、きれいに写真を撮影できます。

初心者の場合は「写真の撮影時に光の強度を測定し、設定すべき露出値を割り出す機械の露出計」や「撮影時の露出度を自動で設定できるAUTO機能」が付いているカメラを選ぶことで、撮影時の明るさを調節できます。

2.近年のオートフォーカス機能に比べて精度が低い

フィルムカメラは近年のデジタルカメラと比較して、オートフォーカス機能の精度が低くなります。

オートフォーカス機能とは、カメラが自動的にピントを合わせることです。

また、フィルムカメラは近年のオートフォーカス機能と比較して精度が低いが、レンズのリングを回しながらピントを合わせることを楽しめます。

さらに、使用するフィルムカメラの「年代」「種類」「状態」によって、ピント調節の仕方や難易度が異なります。

3.フィルムの取り扱い方法を間違えた

「フィルムカメラのフィルムに光を当ててしまった」「操作ミスでフィルム室を開けた」「正しくフィルムを装填できていなかった」など、フィルムの取り扱い方法を間違えるケースもあります。

フィルムカメラのフィルム部分は一度光にあたることで、感光して像が写らなくなります。

また、フィルムカメラで撮影を開始後、取り出す準備が終わるまでフィルム室は開けてはいけないのですが、操作ミスでフィルム室を開けてしまうケースもあります。

他には、正しくフィルムを装填できていないことで、撮影後に1枚も撮れていない場合にも注意しましょう。

フィルムカメラの選び方

フィルムカメラを選ぶ際には、以下5つのポイントをチェックしましょう。

  • フィルムカメラの種類
  • フィルムのサイズ
  • ピントの合わせ方
  • 露出モード
  • 信頼できるお店でカメラのデザインや状態を確認する

選び方1.フィルムカメラの種類をチェックする

フィルムカメラには、以下の種類があります。

  • 一眼レフカメラ
  • コンパクトカメラ
  • レンジファインダーカメラ
  • 二眼レフカメラ
  • インスタントカメラ

種類による違いや特徴をチェックし、理想の写真を撮影しやすいアイテムを選びましょう。

一眼レフカメラ

一眼レフカメラは、撮影内容や被写体に合わせてレンズ交換が可能なアイテムです。

最もポピュラーな形のカメラとなっていて、「広角」「標準」「望遠」「マクロ」「魚眼」など交換できるレンズの種類が豊富です。

全ての設定を手動で行う「マニュアル一眼レフ」や、初心者でも簡単に写真を撮れる「オート一眼レフ」があり、知識や写真へのこだわりに合わせて撮影モードを自由に選べます。

コンパクトカメラ

コンパクトカメラは、片手で持ち運びしやすいアイテムです。

バッグに入れてもかさばらないため、旅行時のスナップ写真も手軽に撮れます。

また、操作も比較的簡単なカメラが多く、初心者の人でも写真を撮りやすくなります。

さらに、コンパクトカメラは一般家庭用に販売されたアイテムも多数出回っていて、流通量が多い点も特徴です。

コンパクトカメラのデメリットとして、「一眼レフカメラのような背景をぼかす写真を撮りたい」「ズーム可能な範囲を広げたい」など、撮影シーンに合わせてレンズを交換できない点があります。

レンジファインダーカメラ

レンジファインダーカメラは、一眼レフカメラより以前に主流だったアイテムです。

カメラ本体には2つの窓が設けられていて、それぞれの窓から入った像がファインダーに映り込む仕組みとなっています。

「ピントリング」という部品を回すことでファインダー内に映る2つの像が重なりはじめ、映像が重なった位置に調節することでピントを合わせます。

上記の操作が必要なため、カメラに慣れていない方は初めは他のカメラと比べて撮影しづらく感じます。

二眼レフカメラ

二眼レフカメラは、上下に2つのレンズが付いたアイテムです。

「撮影用レンズ」「写りを確認するレンズ」2種類を搭載していて、上から覗き込みながら撮影します。

ファインダー内の映像は左右が逆転しているため、撮影時のフレーミングに慣れる必要があります。

二眼レフカメラは、フィルムカメラの撮影に慣れている上級者向けのアイテムです。

また、カメラのデザインはレトロな雰囲気が感じられるため、フィルムカメラを愛好する方にも高い人気を集めています。

インスタントカメラ

インスタントカメラは「チェキ」や「ポラロイドカメラ」など、撮影直後に自動で現像が可能なフィルムを使用するアイテムです。

撮影したその場で写真を確認したり、現像した写真にコメントを書いてプレゼントできます。

カメラの操作はシンプルで、初心者でも写真を撮りやすくなっています。

また、「クラシック調」「カラフル」なデザインのカメラが多く、インテリアやファッションの要素を重視したい人にも最適です。

選び方2.フィルムのサイズをチェックする

フィルムカメラは「35mmフィルム」「中判フィルム」など、カメラの種類によってフィルムのサイズが異なります。

フィルムを購入する時は、使用するカメラに対応したフィルムサイズを選びましょう。

一般的には、35mmフィルムカメラを使用するカメラが多くなっています。

 

中判フィルムは取り込める情報量が多く、細部まで繊細に描写できるアイテムです。

ただし、中判フィルムを使用する場合にはカメラの本体のサイズも大きくなります。

カメラの本体のサイズが大きくなることで、持ち運びしづらいと感じるケースも少なくありません。

また、中判カメラはフィルムが大きい分、フィルムや現像費などのコストも高くなる点に留意しましょう。

 

フィルムのコスト面が気になる人は、1本のフィルムで2倍の量が撮れる「ハーフカメラ」がおすすめです。

例えば、ハーフカメラで35mmフィルムを使用する場合は、通常の35mmフィルムカメラの2倍の枚数を撮影できるので、その分フィルムにかかるコストも抑えられます。

 

フィルムカメラの操作性や撮影時のコスト面などを考慮しながら、自分に合ったアイテムを選びましょう。

選び方3.ピントの合わせ方をチェックする

フィルムカメラには、「マニュアルフォーカス(MF)」と「オートフォーカス(AF)」2種類のピントの合わせ方があります。

 

マニュアルフォーカス(MF)とは、ピントを手動で合わせる手法です。マニュアルフォーカス(MF)は写真を1枚ずつ丁寧に撮るため、撮影時の操作を楽しめます。

 

オートフォーカス(AF)は、カメラが自動的に被写体にピントを合わせる手法です。近年のデジタルカメラと比較した場合に、フィルムカメラはオートフォーカス機能の精度は高くありませんが、初心者でも動く被写体にピントを合わせて撮影できます。

選び方4.露出モードをチェックする

露出とは、カメラが取り込む光量です。

写真を撮る前に露出を設定することで、撮影時における仕上がりの明るさを調節できます。
露出は、「絞り」「シャッター速度」「ISO感度」の要素で決まります。

 

絞りとは、レンズから入る光の量を調整する機能です。
レンズ穴の大きさを変えることで、取り込む光の量を調整しています。

 

2つ目のシャッター速度とは、カメラのシャッターが閉まるスピードです。
シャッタースピードが速い場合は、カメラが光を取り込む時間が短くなります。

 

3つ目のISO感度は光に対する敏感さを数字で表していて、装填するフィルムの種類で露出の度合いが決まります。

 

また、「フルマニュアル」で自分自身で設定する、「露出計」を用いて自分自身で明るさを設定する、シャッタースピードは自動的に設定され絞りだけ自身で設定する、「フルオート」で「絞り」「シャッター速度」ともに自動で設定される等、製造された年代やカメラの種類によって露出に関する設定方法が異なります。

 

「絞り」「シャッター速度」「ISO感度」それぞれの要素や設定方法について、購入前にチェックしましょう。

選び方5.信頼できるお店でカメラのデザインや状態をチェックする

信頼できるお店に足を運び、デザインや状態を見ながら購入しましょう。

カメラの状態が良いものを目で確認しながら、写真を簡単に撮影できる「AUTO機能が付いている」などの機能面もチェックします。

わからないことがある場合には、店員さんやカメラに詳しい人に聞きましょう。

 

また、「YouTube」「ブログ」などもチェックし、購入したいカメラに関する情報をリサーチするのもおすすめです。

自分に合ったカメラを選べずに迷ったら、「かっこいい」「かわいい」などのデザイン面を重視し、持って出かけたくなるカメラを選びましょう。

【初心者向け】おすすめのフィルムカメラ8選

初心者向けにおすすめのフィルムカメラ8選をご紹介します。

それぞれのフィルムカメラにおけるデザインや特徴などを参考にしながら、自分に合ったアイテムを探してみてください。

Canon オートボーイシリーズ【コンパクトカメラ】

Canon Autoboy D5 フィルム コンパクトカメ

Canon オートボーイシリーズは、1979年からキヤノンが発売したオートフォーカス機能付きのコンパクトカメラです。

35mmフィルムを使用していて、誰でも簡単にきれいな写真が撮影できるため高い人気を得ました。

また、これまでに19機種のカメラを製品化していて、自分に合った機能やデザインのアイテムを選べます。

Canon オートボーイシリーズは高い人気がありながら、比較的安価で手に入れられるカメラが多い点も特徴です。

Rollei 35シリーズ【コンパクトカメラ】

ROLLEI 35 (ドイツ) フィルム コンパクトカメラ

Rollei 35シリーズは、ドイツの海外メーカーが製品化したコンパクトカメラです。

約70mm×100mmのサイズとなっていて、衣類のポケットに入れられるコンパクトさを実現しています。

また、オート機能などが搭載されていないため、撮影時の操作が難しく感じます。

状態が良くないカメラが多いですが、コンパクトでシックなデザイン性を重視したい人におすすめです。

PENTAX SP【一眼レフ】

PENTAX SPは、1964年に発売されたベストセラーの一眼レフカメラです。

世界で400万台以上販売されたともいわれていて、数が多いため安価で手に入れやすくなっています。

 

また、世界規格となるM42マウントのレンズが装着可能となっていて、現在でも人気のオールドレンズをマウントアダプターなしで使用できます。

Nikon FE【一眼レフ】

Nikon FE ブラック+Ai-s NIKKOR 50mm F1.4 フィルム マニュアルフォーカス 一眼レフカメラ

Nikon FEは自動露出機能を搭載していて、ひと目で操作の仕方がわかるシンプルさが魅力の一眼レフカメラです。

絞りだけ調節してシャッターを押すだけで撮影できるため、初心者でも簡単に操作できます。

 

また、撮影シーンに合わせて50以上のレンズに交換が可能となっていて、目的に合った写真を撮りながら楽しめます。

カメラの外観もポピュラーなデザインを採用していて、シンプルなアイテムを好む方にもおすすめです。

Ricoh オートハーフシリーズ【ハーフカメラ】

Ricoh オートハーフシリーズは、ボーダー柄やメタリックな色合いなど、レトロ風なデザインが印象的なハーフカメラです。

四角いボディやレンズの回りも長方形となっていて、独特なデザインが

また、露出の設定やピント合わせも不要となっていて、操作は押すだけのみで使いやすくなっています。

さらに、35mmフィルム一コマに2枚の写真が撮れるため、コスパが良いのも魅力です。

OLYMPUS PEN Fシリーズ【ハーフカメラ】

OLYMPUS PEN-F + E.Zuiko Auto-W 25mm F4 フィルム マニュアルフォーカス 一眼レフカメラ

OLYMPUS PEN Fシリーズは、ハーフカメラでは珍しい一眼レフタイプのアイテムです。

レンズの交換が可能でありながら、コスパが良いため、本格的な写真を低コストで撮れます。

また、クラシカルかつモダンな美しさを感じる外観となっていて、デザイン面にもこだわりを感じられます。

MINOLTA オートコード【二眼レフカメラ】

MINOLTA AUTOCORD III 後期型 ROKKOR 75mm F3.5 二眼レフカメラ

MINOLTA オートコードは、上下にそれぞれレンズがついている二眼レフカメラのアイテムです。

中判カメラとなっていて、一般的なカメラの35mmフィルムより大きいサイズです。

記録できる情報量が増えるため、撮影した写真がきれいな高画質になりやすくなります。

 

ボディ下部にあるレバーを左右に動かしながらピント合わせるため、撮影時の操作は難しいですが、一度トライしてみるのもおすすめです。

FUJIFILM チェキEVO【インスタントカメラ】

FUJIFILM instax mini Evo チェキ インスタントカメラ

FUJIFILM チェキEVOは、現行品として販売されているカメラです。

インスタントではあるが、カメラに画像データが保存されているため、現像する写真を選べます。

また、画像データを選択し、同じ写真を何枚も現像できるため、撮影した写真を友人や家族へプレゼントできます。

自分に合ったフィルムカメラで写真を撮ろう

今回はフィルムカメラの特徴、 フィルムカメラ使用時のよくある失敗例、フィルムカメラの選び方、おすすめのフィルムカメラ8選をご紹介しました。

フィルムカメラは現代の最新型のデジタルカメラとは異なり、手間のかかる操作性を楽しめるアイテムです。

1枚ずつ大切に写真を撮りながら、フィルムカメラや撮影の魅力を味わいましょう。

おすすめのフィルム一眼カメラ

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